単純承認

単純承認は、借金などマイナスの財産である債務に関しても財産全て相続することになります。よって、被相続人に多額の借金がある場合においては注意が必要です。被相続人に借金はないと思っていても財産調査をしたことにより債務が見つかる可能性があります。単純承認すれば借金も承継しますので、相続人が返済する義務を負うことになります。

しっかりと財産調査し、相続財産を明らかにしておくことが重要となります。

単純承認する場合には手続きする必要がありませんが。相続人の意思とは関係なく単純承認したものとみなす制度があります。

• 相続人が相続財産の全て、ないし一部を処分していた場合

被相続人宛の借金の督促状に対し、返済額が1万円や2万円と少額だったからと何も考えず支払ってしまうケースがあります。もし相続放棄をするのであれば、相続財産を自由に処分する権利があるはずはありません。相続人が相続財産の処分を行ったときには、相続財産を自分のものにする意思があると判断されても仕方がないことになります。

• 相続放棄や限定承認の申述後、相続人が財産を隠匿、または消費していた場合

相続人は、限定承認や相続放棄をした後でも、相続財産を有している限り、それを承継する人に引き渡すまで、適切に管理しなければなりません。相続財産を意図的に隠したり使ってしまうなどの行為した場合には、限定承認や相続放棄は認められないことになり、単純承認が成立します。

被相続人の相続財産の中にマイナスの財産が明らかに多い場合は専門家に相談するのがよいでしょう。